言語学コロキアム「GB・Minimalismにおける格理論の変遷と今」が開催されました

2013年6月11日

6月1日、三田キャンパス東館ホールで、言語学コロキアム「GB・Minimalismにおける格理論の変遷と今」が開催された。

講師に中京大学の野村昌司先生をお迎えし、3部構成のセミナー形式で行われた。

第1部では、格理論がGBからMinimalismにかけてどう変化してきたのか、具体的には、Chomsky 1981、Chomsky 1993、Chomsky 1995、Chomsky 2000~2004、Chomsky 2008において格がどのような環境で認可されると提案されてきたかが示された。

第2部では、アイスランド語の言語事実に基づいて、格理論の重要課題と研究の方向性が明らかにされた。

第3部では、Chomsky 2000以降仮定されているphaseについて、同種類のphaseが連続して起こる場合、それらは単一のphaseとして捉えられるとする野村先生の仮説が紹介され、日本語の複合動詞句における主格・対格交替の現象に対して新しい分析が提出された。

当日は、言語学を専攻している学部生および大学院生、統語論研究者、教育関係者ら80名を超える参加者が、野村先生の講義に熱心に聞き入ると同時に、積極的に専門知識および意見の交換を行い、格理論の現状および今後の課題について理解を深める場となった。

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