言語文化研究所総会記念講演会「近代中国における溺女(嬰児殺し)の認識と改革」開催

2016年2月 1日

下記のとおり、言語文化研究所総会記念講演会を開催いたしました。


<日時>2016年3月5日(土)16:15~18:00

<会場>慶應義塾大学三田キャンパス 北館ホール

<講師>山本 英史君 (文学部教授)

<演題>『近代中国における溺女(嬰児殺し)の認識と改革』
伝統中国の農村基層社会では生まれたばかりの子供を溺殺する「悪習」が長期にわたって存続していました。それ自体はいわゆる「間引き」であり、世界各地に見られるものでしたが、中国の場合、貧困による養育困難の他、特殊な理由から、とりわけ女児が犠牲になることが多く、「溺女」の名もそれに由来しました。歴代の地方統治官や在郷知識人はこれを問題視し、その改革に努めましたが、いずれも効果がありませんでした。国民国家を標榜した南京国民政府は初めて国家レベルでの解決を図りましたが、その克服は中華人民共和国の成立まで持ち越されました。本報告では、この問題を通して近代中国の農村基層社会における国家行政の浸透の在り方を明らかにし、その現代的意味を考えたいと思います。


*参加費:無料
*申込:不要 (直接会場にお越しください)