イスラーム・セミナーの開催(2020年12月4日 オンライン開催)

2020年11月10日

下記のとおり、イスラーム・セミナーを開催いたしました。

<日時> 2020年12月4日(金) 16時30分~18時00分(予定)

<会場> オンライン開催
 
<講師> 相島葉月(あいしま・はつき)氏 (国立民族学博物館准教授)

<演題> 神なき時代にスーフィーになる:
     ナセル社会主義とアブドゥルハリーム・マフムードのシャイフ探しの軌跡

 西洋的モダニティは、全ての事柄において主体的に選択することを個人に迫り、神の啓示の真意についても伝統的権威に依存せずに原典の自学自習を推奨する。イスラーム改革主義は反近代的思想と思われがちだが、彼らはムスリムが神との個人的かつ直接的な関係を構築する必要性を強調し、スーフィズムにおけるシャイフ(導師)の役割を完全に否定したことからモダニティとの相性は抜群によい。一方、現代エジプトのスーフィーは、古典理論に言及し「シャイフなき者のシャイフは悪魔に違いない」と主張する。スーフィズムを道(タリーカ)に例え、スーフィズムを志す者には道案内役のシャイフが不可欠であるとする。彼らによると、絶対的な真実を求める旅であるスーフィズムの道を一人で歩むことはできず、預言者モーゼでさえもシャイフを必要としたのである。
 本発表は、現代のスーフィーが信仰の個人化とシャイフとの私的なつながりについてどのように向き合ったかという問題を、アブドゥルハリーム・マフムード(1910-78年)の著作より考察する。ナセル社会主義の全盛期であった1960年代に、アズハル大学の教授職にあったマフムードは、自身のスーフィーシャイフとの出会いを赤裸々に語った自伝的な手記を出版した。アズハル大学を首席で卒業し、ソルボンヌ大学で博士号を取得したという、エジプトのモダニティを体現したようなキャリアを歩んできたマフムードのスーフィー宣言は、かなりのインパクトがあったと思われる。スーフィーであることをカミングアウトしたにも関わらず、スンナ派イスラーム世界の最高学府と言われるアズハル総長にまで登り詰めることができた背景を、彼の手記を手掛かりに探求する。

<主催> 慶應義塾大学言語文化研究所


【参加申込】※受付を終了しました。
参加を希望される方は、お名前とご所属を明記の上、こちらまでメールでお申込ください。
・参加申込締切:12月2日(水)
・申込受付後、事務局より受付確認メールを送信します。
 数日経っても受付確認メールが届かない場合は、再度お問合せください。
・オンライン開催情報(Zoom meeting招待URL)は、開催前日までに事務局より申込者へ
 直接メールにてご案内いたします。


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