言語文化研究所共催イベント「2024年春季ドイツ文法理論研究会研究発表会」

2024年4月26日

下記イベントを開催いたします。

「2024年春季ドイツ文法理論研究会研究発表会」(共催:慶應義塾大学言語文化研究所)

日時:2024年6月9日(日)13時10分~16時00分
会場:慶應義塾大学日吉キャンパス 独立館D308

【プログラム】
13:10 - 13:30 総会
13:30 - 15:00 講演(日本手話-日本語通訳あり)
講演:松岡 和美 氏(慶應義塾大学経済学部教授)
表題:並べるよりも重ねる:手話言語の特性と日本手話の完了アスペクト 
要旨:
手話言語とは「目で見る生活様式に基づく文化(ろう文化)」を備えたコミュニティで用いられる視覚言語を指す。これまでの手話研究により、ジェスチャーのような図像性の高い表現が手話言語に取り込まれて抽象的な文法特性を備えるに至った事例が多く見いだされてきた。身体部位を用いた表現は言語音よりも産出に長い時間を要するが、視覚は聴覚よりも多くの情報を同時に認識することができる。その結果、手話言語では意味を持つ要素を連結するだけでなく、語彙表現の一部として組み込んだり、異なる身体部位や空間で示された情報を「層」のように重ね合わせたりする表現形式が発達した。本講演では、視覚言語の特徴を示す現象の一例として、日本手話の完了アスペクトをとりあげる。手話言語の多くには時制を示す文法表現がないとされるが、非手指表現の完了相を表す口型の生起条件には、時制や語彙タイプと連動したパターンが見られる。この観察は、音声言語・手話言語に関わらず、時制を持たない言語に共通するアスペクト表現の類型の考察に資するものと考えられる。

(休憩)

15:20 - 16:00 研究発表
研究発表:河野 巧一 (東京大学大学院) 
表題:再帰代名詞の再構築効果 ~ドイツ語 • 英語の比較から~


主催:ドイツ文法理論研究会
共催:慶應義塾大学言語文化研究所