2024年度公開講座の開催

2024年8月30日

2024年度言語文化研究所公開講座を下記の通り開催いたします。
参加をご希望の方は申込フォームよりご登録くださいますようお願いいたします。

テーマ:政治のある日常 ― 古代ローマ共和政末期の社会と言論
皇帝という単独支配者が出現する直前の古代ローマ共和政末期においては、しばしば激しい権力闘争が生じて、多くの政治的混乱を引き起こし、ついには内戦にすら至るほどでした。その中心にいたのがカエサルやポンペイユスといった政治家たちです。しかし、当時の政治は決して彼らだけのものではありませんでした。その他の人々も、様々な手段を通じて、自分たちの意志を示し、あるいは国政に、あるいは個々の政治家に影響を及ぼすことを試みていました。以上のような様子は、弁論や書簡、詩など、当時記された様々なテキストに見て取ることができます。この公開講座では、そうしたテキストを読み解きながら、当時の社会と言論についてご紹介します。
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■ 第1回 10月5日(土) 14時00分~16時00分 

 講師:小池 和子(慶應義塾大学言語文化研究所教授)
 演題:書簡の中の政治

 弁論家キケローの名の下に伝わる4つの書簡集には、総計900通以上の書簡がおさめられています。これらの大半は私信であり、本題以外にも日々の雑多な話題が詰め込まれることも少なくなく、常に内容や体裁が整っているわけではありません。しかしその分、人々の日常をリアルに伝えてくれるものであります。この講演では、それらの書簡の中から当時の政治に関するものを幾つか取り上げ、ご紹介します。

■ 第2回 10月12日(土) 14時00分~16時00分
 講師:友井 太郎(国際基督教大学非常勤講師)
 演題:詩人と政治―カトゥッルスの場合

 カエサルの『ガッリア戦記』は広く知られるが、ガッリア総督という地位は彼に名声のみならず、軍事的、経済的な実力も与えた。さて、この遠征に批判の矛先を向ける同時代の詩人がいた。カトゥッルスというその詩人の誹謗的作品により、カエサルには「消えない烙印が押された」との伝えがある。また、詩人自身も小アジアのビテュニア属州で総督メンミウスに仕えたが、期待していた富は得られなかったと(メンミウスを痛罵しつつ)述懐している。古代ローマにおける詩人と政治の関わりの一例として、共和政末期のカトゥッルスを紹介したい。

■ 第3回 10月19日(土) 14時00分~16時00分
 講師:内田 康太(法政大学文学部専任講師)
 演題:政治集会とその役割

 大勢の人々が行き交う首都ローマの中心地にて、政治家たちはコンティオと呼ばれる政治集会をたびたび開催しました。現代の街頭演説会にも似たこの集会では、だれがどのような演説を行ったのでしょうか。聴衆として参加したのはどんな人たちで、彼らと演説者たちとのあいだにはいかなるやり取りがなされたのでしょうか。本講演では、こうした問いかけを通じて、コンティオが共和政末期ローマの政治において担った役割について考えてみたいと思います。


会 場: 慶應義塾大学三田キャンパス 北館ホール
     https://www.keio.ac.jp/ja/maps/mita.html → キャンパスマップ【10】北館の1階です
受講料: 無料
事前申込制: こちらのフォームからお申し込みください
・お申し込み後に当方より登録完了のメールが届きましたら、受付完了となります。
 メールが届かない場合は、事務局までお問い合わせください。
・準備の都合により事前申込をお願いしておりますが、
 事前にお申込みいただかない方の当日参加も可能です。
 (当日受付にて記名をお願いいたします)
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