2026年度公開講座の開催
2026年9月 1日
2026年度言語文化研究所公開講座を下記の通り開催いたします。
オンライン開催となりますため、参加をご希望の方は、申込フォームよりご登録ください。
テーマ:ことばの宝庫ミャンマー
少数民族カレン・カチン・チンの言語文化の魅力をひもとく
東南アジアの西端に位置するミャンマー(ビルマ)は民族の宝庫です。ミャンマー政府によると135種類の民族が住んでいて、うち人口の多いカチン・カヤー・カレン(カイン)・チン・ビルマ・モン・ラカイン・シャンが八大主要民族とされています。この中からカレン・カチン・チンの3民族を取り上げ、その言語と文化の魅力を紹介します。最大民族ビルマの影に隠れて普段はあまり見えてこない少数民族の言語と文化に触れてみませんか。



■第1回 10月3日(土) 14時00分~16時00分
講師:加藤 昌彦 (慶應義塾大学言語文化研究所教授)
演題:カレン人の言語と文化
ミャンマーの最大都市ヤンゴンに行くと、カレン人に出会う機会は非常に多い。カレン人はそもそもの人口比が多いのに加え、ヤンゴンには大きなカレン人居住区があるので、ホテルやレストランやスーパーには必ずと言っていいほどカレン人の従業員がいる。ミャンマーを旅行したことがある人なら、きっとどこかでカレン人と出会っているはずである。しかし、その言語についてはあまり知られていない。同じ国で話される言語だから、カレン語とビルマ語は似たような言語だろうと思うかもしれない。しかし、実のところ、この2言語は大きく異なる。そもそも、日本語と同じSOV型の基本語順を取るビルマ語に対して、カレン語は英語と同様のSVO型語順を取る。こういったことはミャンマー人でも普通は知らない。さらに、カレン語には互いに通じない様々な変種がある。それだけでなく、信じる宗教によって文字が異なるなど、言語的に複雑な様相を示す。カレン人には70年以上にも及ぶ内戦を戦ってきたという顔もある。こういった文化的・社会的な背景にも触れながら、カレン人の言語と文化の複雑な様相について解説する。
■第2回 10月10日(土) 14時00分~16時00分
講師:倉部 慶太 (東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授)
演題:カチン人の言語と文化
言語と文化が多様なミャンマーのなかでも、ミャンマー北部はとりわけ多様性に富む地域のひとつである。この地域に暮らすカチン人のあいだでは、互いに必ずしも通じない複数の言語が話されている。それでも人々は、カチンとしてのアイデンティティを共有している。人々を結びつけているのは、共通の文化や習慣、そして異なる言語を話す人々の共通語として使われるジンポー語である。本講演では、カチン人の言語と文化を概観し、人々に共有されている文化や、複数の言語が互いに影響し合う様子を紹介する。続いて、ジンポー語の特徴を日本語や世界の言語と比較しながら、身近な例を通して解説する。さらに、講師が現地の人々と協働して進めている、昔話や伝説などの口承文芸を記録し、次の世代へ伝えるための取り組みについても紹介する。
■第3回 10月17日(土) 14時00分~16時00分
講師:大塚 行誠 (大阪大学人文学研究科准教授)
演題:チン人の言語と文化
「ダンモー?」――ティディム・チン語で「元気?」を意味するこの挨拶は、インドやバングラデシュへと連なるミャンマー西部の山々の一角でチンの人々によって代々交わされてきた。「チン」とは、単一の言語や文化を共有する集団の名ではなく、互いに似通いながらも同じではない人々を緩やかに束ねる総称である。ミャンマー政府の民族分類の3分の1以上をチン系の民族が占め、チン丘陵とその周辺には50を超えるチン系の言語がひしめきあっている。尾根を一つ越えれば言葉が変わる。まさに言葉のモザイクであり、その違いが文化の豊かさを映し出している。
チンという名は、日本人にはなじみが薄いかもしれないが、この地は日本と無縁ではない。インパール作戦の行軍経路はチンの人々が暮らす山地と重なり、敗走する日本兵を見た人も少なくなかった。その記憶は今も「日本戦争」の名で語り継がれている。冒頭の挨拶も、日本兵の耳に届いていたかもしれない。
チンの人々の暮らしの場は、いまやミャンマー、インド、バングラデシュの辺境地帯にとどまらない。近年は欧米や日本にも広がっている。本講演では、言葉と文化、記憶、移住を手がかりに、チンの世界の魅力を紹介する。
開催方法:オンライン(Zoomによるウェビナー)
受講料: 無料
事前申込制:こちらの申込フォーム からお申し込みください
・お申し込みいただいた方には、開催前日までに事務局より別途オンライン開催情報を
個別メールにて配信いたします。
・申込締切:各講座開催日2日前まで
・お申し込み後のお問合せは、事務局までご連絡ください。
*チラシのダウンロードはこちら
*********************** <<<個人情報の取り扱いについて>>> *****************************
1.ご提供いただいた個人情報は、学校法人慶應義塾の「個人情報保護基本方針」および
「個人情報保護規程」に基づき、外部流出等がないよう安全且つ厳密に管理いたします。
2.個人情報は、言語文化研究所から今回のイベント開催案内にのみに使用します。
当該目的以外には使用いたしません。
3.個人情報は、第三者に開示・提供・預託することはありません。
4.個人情報の訂正・削除については、言語文化研究所までご相談ください。
***************************************************************************************************
