柳田文庫

沿革
柳田文庫
永田文庫
市河文庫

(『柳田国男方言文庫目録』より)

西脇順三郎
昭和三十九年六月

この文庫は昭和十九年五月に柳田国男先生が当時慶應義塾語学研究所のために慶應義塾へ寄附された書物と私が個人的に柳田先生からいただいたものなどから出来ています。

この文庫の内容は方言と民俗に関する貴重な文献とノートであります。注意すべき内容は次の通りであります。

一、柳田先生の自筆の方言カード二千百枚、ノート一冊(各地方言に関する資料の名称、府県別に分け、及び資料の数についての記録)

二、方言の資料関係印刷物、謄写版、児童の作文、民俗関係の資料(書き入れ多し)

三、方言に関する論考 書物、雑誌、雑誌のぬきずり

四、柳田先生自身の著作物(改版のための書き入れあるものを含む)

この文庫は只今のところ方言及び民俗学のための完全な資料集ではないが柳田先生の業績を記念し親しく先生を追悼する最高の遺物であろう。


所蔵品の一部
山中共古自筆本『見附次第』
『見附次第』
山中共古自筆本『吉居雑話』
柳田国男『先祖の話』