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3 特殊講座で教授する諸言語の紹介

 言語文化研究所特殊講座で学ぶことのできる諸言語の概要についてご紹介しておきましょう。

 本講座で取り扱う諸言語は大きく四つに分けられます。東南アジア大陸部の諸言語(ヴェトナム語、タイ語、カンボジア語、ミャンマー語)、イスラーム世界で使用されている諸言語(アラビア語、トルコ語、ペルシア語)、古典的な文献や資料で用いられている諸言語(古典サンスクリット、古典アラビア語、聖書ヘブル〈ヘブライ〉語、古代エジプト語、アッカド語)、そして日本手話です。

 系統分類で見ると、アフロ・アジア語族に属するのが、古代エジプト語とセム語派のアッカド語、ヘブル語、アラビア語です。インド・ヨーロッパ系語族に属するのがサンスクリットとペルシア語です。トルコ語はトルコ諸語に属します。東南アジア大陸部(インドシナ半島)では様々な系統の言語が話されていますが、本講座で教授する言語では、ミャンマー語がシナ・チベット語族、タイ語がタイ・カダイ語族、カンボジア語とヴェトナム語がオーストロアジア語族に属します。東南アジア大陸部にはほかにも膨大な少数民族の言語があります。加藤はミャンマーとタイの中間に広がるカレン系諸言語を研究しています。

 本講座で教える諸言語は、文字という点で見ると、アッカド語は楔形文字、古代エジプト語はヒエログリフを用います。ヘブル語はヘブル文字を使用します。アラビア文字を用いるのが、アラビア語とペルシア語です。インド系の文字を用いるのが、サンスクリット、ミャンマー語、タイ語、カンボジア語です。トルコ語とヴェトナム語は現在ではローマ字を用います。前近代にはトルコ語はアラビア文字を用い、ヴェトナムでは漢字を応用・改変してヴェトナム語を表記するチュノム(字喃)という文字が用いられました(ただし前近代ヴェトナムの書字文化の中心は漢字漢文でした)。嶋尾は近年塾外の研究者とともにチュノムと漢文の併記された資料の研究を進めています。

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